第十二章 新たな歴史に向かって

2005(平成17)年、 30年以上美術部白鷲会の活動拠点であった
誠之館の部室が、別棟に移転する。
部室自体は以前より多少広くなったが、その一方で、
特別講堂の改築にともないアトリエが立ち退きを
余儀なくされ、白鷲会展などに出品する大作を制作する場を失った。
アトリエに代わる制作の場をどう確保するかが、目下の課題になっている。

そして、2004(平成16)年、わが関西大学美術部白鷲会は創部80周年を迎えた。
この間、美術部白鷲会は数多くのOBOGを輩出してきた。
卒後後、本格的な美術家として歩み、美術界で高い評価を得ているOBOGも少なくない。
しかしながら、他校のようなOBOG全体を糾合する組織がなかったことが、
美術部白鷲会の弱点でもあった。

近年、1970年代前半以前のOBOGによる展覧会が3年ごとに開かれてきたが、
創部80周年を機に、これまで欠落していた1970年代後半から最近までのOBOGにも
参加を呼びかけ、OBOG会を拡充しようという動きが起こり、
ついに2005(平成17)年10月15日、大阪難波にて、20 歳代から80歳代まで全世代の
OBOG約50名が一堂に集い、創部80周年記念懇親会を催すに至った。

創部80周年。この気が遠くなるような時間の積み重ねは、
歴代顧問の先生方や関係者のご指導、ご支援と、幾多の困難を乗り越え活動を
発展させてきた無数のOBOG諸氏の努力のたまもの以外のなにものでもない。
伝統の重みをひしひしと感じつつ、この歴史の節目を、現役生とOBOGが一体となり
美術部白鷲会の歴史を刻む新たな第一歩としたい。

関西大学美術部白鷲会の前途に幸多からんことを祈って。

(文:平井章一/1985年度部長)

執筆にあたり下記の方々の協力を得ました。ありがとうございました。
前田孝一氏、矢島千船氏、古谷勝紀氏、水田淳氏、西山重喜氏、山崎早規子氏、
関西大学美術部白鷲会現役生諸氏、関西大学年史編纂室(順不同)

※この「関西大学美術部白鷲会80年の歩み」は、2005(平成17)年10月15日に
大阪難波で催された関西大学美術部白鷲会創部80周年記念懇親会で
参加者に配布した『関西大学美術部白鷲会80年小史』に若干の編集を加えたものです。

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©Shoichi HIRAI 2008

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